国に要望書を提出

平成25年3月5日

昨日、厚労省を訪問し、保育事故の調査・検証を制度化することなどについて要望書を提出しました。あわせて、3府省(内閣府、文科省、厚労省)の方と意見交換を行いました。

意見交換は、3府省の課長級の方に対応していただくという異例の対応で、1時間じっくりお話を伺うことができました。こちらからは、地方の実態や、事故の調査・検証の必要性などについてお伝えし、理解を頂くことができたのではないかと思います。

保育事故の調査・検証については、できれば法律でしっかりと位置付けを行った上で制度化して頂きたいのですが、法改正が昨年行われたばかりということもあり、法律での位置付けはなかなか難しいようです。
来年度から法改正後の基準(省令)の検討が始まるため、これにあわせて何とか制度化を図ってほしいと思います。

※以下、要望書の写しです。

内閣府特命担当大臣(少子化対策)
文部科学大臣
厚生労働大臣 殿

保育施設における事故防止に関する要望書

栗並 秀行   
栗並 えみ   

平成22年10月29日に愛知県碧南市の認可保育所で発生した死亡事故(以下、本件という。)について、先月、愛知県と碧南市が共同で設置した第三者委員会による検証報告書がとりまとめられました。
本件は、重大な事故(意識不明となり40日後に死亡)であったにも関わらず、事故直後に速やかな調査が行われず、その後遺族自らが聞き取り調査等を行うことよって、事故当時の保育士の見守りが不十分であったことや、事故の背景に「詰め込み保育」があったことなどの重大な事実が判明しました。
また、本件をきっかけに、愛知県等における著しく低い最低基準(乳児室の面積)の運用が明らかになり、平成23年10月に厚生労働省から最低基準の適正な運用を求める通知が出されるなど、社会的にも大きな反響がありました。
しかしながら、本件の原因究明と再発防止策の検討に関しては、愛知県と碧南市の押し付け合いの末、事故から1年半が経過してようやく第三者委員会が設置されるなど、行政対応の遅れが目立ち、事故防止に関する制度の不備も報道機関等によって指摘されています。
こうした一連の経緯をふまえ、事故の再発防止を図るため、下記の事項を要望いたします。


1 保育施設における事故について、施設から都道府県への報告を法令で義務付けてください。あわせて、都道府県から国への報告についても義務付けてください。

2 保育施設における事故防止に関する国および地方自治体の責務を法令に明記してください。
・地方自治体は事例を調査・検証する責務を負い、国は事例を分析して対策を講じる責務を負うことが考えられます。
・特に、重大事故(死亡事故等)については、被害者の意向を考慮した上で、都道府県に学識経験者等によって構成される第三者組織を設置し、公正・中立な立場から事例の検証が行われるよう、法令で義務付けもしくは通知により推奨してください。また、国は検証方法等に関するガイドラインを策定してください。
・あわせて、事故の情報や教訓の共有を図り、保育現場で活用できるような仕組みを構築してください。

3 保育施設の指導監督体制を強化してください。
・特に、保育施設の指導監査権限を持つ都道府県の責任と権限を強化してください。
・児童の生命を守るため、保育施設に対して実効性のある指導が行えるような具体的措置を講じてください(安全確保の観点から施設を指導する指導員の配置、監査結果を公表する制度の構築、保育施設の指導にかかる予算措置の拡充など)。
以上


≪3月5日中日新聞朝刊≫
20130305中日朝刊


★東京新聞の一面に掲載されました!
≪3月5日東京新聞朝刊≫
20130305東京朝刊


★3月5日の厚生労働大臣記者会見において、コメントがありました。
≪田村大臣閣議後記者会見概要全文≫
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000002wpd6.html
以下抜粋
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(記者)
 平成22年に愛知県の碧南市の保育所で男の子が死亡した事案に関してですね、御両親が昨日厚労省などに申し入れをしたのと、あと記者会見も行ったのですが、こういった事故の報告義務ですとか、あと重大事故の調査、検証の義務化とかですね、あとは、ガイドラインを作成して欲しいとかを申し入れたというのですが、厚労省として何か今後対応することがあればお願いします。
(大臣)
 そうですね、本当に痛ましい事故で、本当に心からお悔やみ申し上げるわけでありますが、報告義務といいますか、自治体等々に対して報告義務がなかった中で、そういう部分も含めて、御遺族の皆様方が色々な御要望をされておられるという話は存じております。 【中略】 新しく今会議を設置して進めますので、その中において、報告義務でありますとか、それからガイドラインでありますとか、そういうものをどういう形でしていくのか、また、どういうような必要性があるのかということも含めて、議論をいただいていくということになろうと思います。
(記者)
 この事例で事故の検証が非常に遅くなって、親御さんが働き掛けなければ第三者による事故の検証が行われなかったのですね。昨日、御両親は第三者による事故の検証というものを何らかの形で義務付けていただけないかということをおっしゃられていたのですが、そのことに関してはどのようにお考えになりますでしょうか。
(大臣)
 死亡事故となるとかなり大きい問題であることは間違いないわけでありまして、特に認可保育所という一定の水準以上保っている施設ですから、そこで起こったということは非常に重いわけでありますので、それも含めて会議の方でしっかりと議論をいただいて、その第三者委員会、どんな形になるかわかりませんけれども、そういうものに対して必要性を含めて議論をいただくことになると思います。これは、大きな会議の中での議論の内容に入ってくるものだと思います。
(記者)
 それに関連して、愛知県が当時面積の基準を少し緩く解釈をしていたということも背景にあるのではないかというようなことがありますが、今、待機児童の問題解消のために規制緩和をすべきというような考え方もある中で、改めて面積、あるいは人数の基準のことと、安全面とどういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
(大臣)
 3歳未満児の乳児室と保育室との面積を、要は低いほうを使っていたという話だと思います。正直言いまして、一定の数字があるというのはそれなりの理由があるわけでありまして、やはり赤ちゃんが寝ている所と、歩き回る所で当然必要な面積が違うわけですよね。そういう意味では1.65m2でしたか、それを使っておられたという問題は、大きな過ちでありますので、厚生労働省としてはそこはしっかり指導をさせてきていただいております。碧南市に対して。ですから、そこに関して申し上げるとやはりちゃんとした基準を、だから今回の事故が起きたという直接因果付けられるかどうかというのは検証してみないと分かりませんが、そういう危険性は増すわけでございますし、一方で最近東京都でも色々と親御さんが区に対して働き掛けをされておられるというお話も報道等々で拝見をさせていたいただいておりますので、質の高い保育というものをやはり親御さんは求められておられるなというのは我々も十分認識を最近更にしているというか、そういうふうに思っていますので、この基準というのは守っていかなければならんと思いますし、一方で更に面積基準だけではなくて、職員の配置基準、保育士の配置基準等々も含めて前回の子育て三法の議論の中で、そこは質を高めていくべきであるというような内容になっておりますので、保育の質を高めるというところは非常に重要な部分であろうと思います。
(記者)
 待機児童の解消と両方を両立していくということですか。
(大臣)
 もちろんです。量と質をしっかりと確保していくことが大事だと思います。質を落として量と確保するというのが当たり前になってしまうと、当然保育の質が落ちるわけで、事故ということもあるでしょうし、お子さん方の成長過程の中に何らかの支障を来す可能性も十分にあろうと思いますから、そこは厚生労働省として、しっかりと質と量を確保していくということが重要であろうと思います。
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★3月8日に、厚生労働省より事故防止に関する通知が出ました。あわせて、田村大臣からもコメントがありました。

≪保育所及び認可外保育施設における事故防止について(H25.3.8厚生労働省通知)≫
http://hiroyaspace.web.fc2.com/20130308tsuuchi.pdf

≪田村大臣閣議後記者会見概要全文≫
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000002x1do.html
以下抜粋
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(大臣)
 それから、最後に愛知県の碧南市でお亡くなりになられたお子様の痛ましい事故があったわけでありますが、これに関しまして、従前から厚生労働省の方から各自治体へ事故防止の徹底などをお願いをしてきたわけでありますが、平成24年の1年間で18件の死亡事故が起こっているということもございますので、事故の状況を的確に把握し速やかに報告していただくよう再度お願いすると同時に、特に認可保育所の場合は実施主体が自治体ということになっておりますので、そういう意味では実施主体としての責任ということもございますから、再発防止に向けた取組で必要な検証をお願いをさせていただきたいということで、改めてこちらの方から御連絡をさせていただいたということでございます。いろんな意味で子ども・子育て会議の方が動いてまいりますので、この中でこのような再発防止でありますとか報告でありますとかを総合的に議論いただきたいと思いますが、まずは私の方から再度お願いをさせていただいて、このような事故が二度と起こらないようにしっかりと検証した上で対応していただくようにということで、何かあったときにはまず報告をしっかりとしていただくということも含めてお願いをさせていただいたということです。
(記者)
 今の問題で、検証については何か第三者機関にとかそういうことはあるのでしょうか。
(大臣)
 それも含めて検証体制をしっかり作ってくださいということをお願いをするということでございます。
(記者)
 基本的には第三者機関を作るということが前提ですか。
(大臣)
 第三者機関を作る場合もあるし、他の場合もあると思います。やはり、実施主体である自治体が自らの責任を持って、認可の場合は委託をしているわけでありますから、その委託をしているという責任を持ってして、検証する体制をお作りいただきたいということをお願いするということです。
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この通知では、「死亡事故等の重篤な事故が発生した場合には、保育の実施者である市町村において、再発防止のための検証が行われるよう、管内市町村への周知を図られたい。」とあり、”重大事故の検証が必要”との考え方が国によってはじめて示されました。これはたいへん画期的なことですが、“市町村において”という点については問題があると思います。市町村=保育の実施主体=加害者、であるため、市町村において公正な検証ができるとは思えません。これは碧南市の事例からも明らかなことです。重大事故の検証については、第三者的立場にあり、保育施設の指導監督権限を有する都道府県が行うべきだと思います。
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テーマ : 保育園
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